【 2010年9月8日 】
第2回記念講演会「成安・夢のみなもと」【報告】
第2回記念講演会「成安・夢のみなもと」
講師:永田 萠氏(イラストレーター・絵本作家)
日時:2010年9月5日(日)13:30〜15:00
場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール
イラストレーター・絵本作家として大活躍の永田萠さんは、成安女子短期大学意匠科のご卒業で、現在本学客員教授にも就任いただいています。
ご講演は、郷里の兵庫県での高校生時代、イラストレーターの道に進むきっかけとなるお話から始まりました。演劇部員として脚本や舞台装置の制作に熱中し、また部員募集のポスターが学内で大評判となったことなど、絵本作家永田萠の誕生を予測させるような青春時代のエピソードでした。大学時代は京都西陣でアルバイトをしながらの苦学生であったこと、そうした中でもカラーインク技法を教わったたまいいずみ先生を始め、すばらしい先生方に出会われたお話からは、成安の美術教育の長い伝統を現職教員として肌身に感じることができました。講演はさらに、鈴木三重吉が大正時代に創刊した児童文芸誌『赤い鳥』に始まる児童書の歴史や、武井武雄が童謡や童話に倣って童画ということばを生み出したことなど、現在の絵本隆盛に至る長く険しい道のりにも触れられました。
最後は、ワラクマ君を主人公にした新作絵本(10月発売予定)の制作過程を美しいスライドを使ってご紹介いただき、見えないところにまで細やかな注意を払っておられる永田さんの絵本作りの姿勢に会場からも感嘆の声が上がっていました。