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【 2010年6月19日 】

第1回記念講演会「比叡山から見た近江・京都」【報告】

第1回記念講演会「比叡山から見た近江・京都」

講師:武 覚超(たけ かくちょう)氏(比叡山延暦寺執行・叡山学院教授)

対談「比叡山から見た近江・京都」

武 覚超 氏 × 木村至宏(成安造形大学附属近江学研究所長)

日時:2010年6月19日(土)午後1時30分〜午後3時10分

場所:成安造形大学 聚英館3階 聚英ホール

第1部は武覚超氏による講演、第2部はそれを受けての、武氏と木村至宏による対談です。武氏は『比叡山仏教の研究』『比叡山諸堂史の研究』『天台教学の研究』『中国天台史』などの著書を執筆されておられる、延暦寺ならびに天台教学研究の第一人者です。

ご講演では、延暦寺の開祖最澄について、その出自である近江、京都との関わりや、最澄の中国留学中の仏法修行の特長、そして帰国後に比叡山を本拠として日本国中に広めたその教えについてお話いただきました。「国宝とは何物ぞ、宝とは道心なり、道心ある人を名づけて国宝となす」あるいは「悪事を己れに向え、好事を他に与え、己れを忘れて他を利するは慈悲の極みなり」といった天台宗の教えの核心をなし、現代の我々にも学ぶことの多い最澄のことばを、非常にわかりやすくご解説いただきました。また、そうした最澄の教えが、近江商人の「三方よし」(売手良し、買い手良し、世間良し)の精神にも継承されているとの指摘には、比叡山と近江との深い繋がりを再確認することができました。第2部では木村所長との当意即妙な対談のなか、比叡山上から眺める琵琶湖はまさに薬師如来の東方瑠璃光浄土のようにみえるという実体験に基づくお話なども頂戴し、和やかな雰囲気のなか、アッという間の1時間40分でした。

受講いただきました皆様、ご参加どうもありがとうございました。

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